とある獣医の豪州生活Ⅱ

豪州に暮らす獣医師のちょっと非日常を超不定期に綴るブログ

とある獣医の豪州生活Ⅱ

本格的にC病院の一員になりつつあります。

どうも、最近ずっと代診に次ぐ代診でどったんばったん大騒ぎなワタシデス。

最早週の半分を80km離れた病院で送っておるわけですが、ここにきて更なる展開に。

 

本部「えー、C病院の院長ですが、予定を繰り上げて今週退職です…」

AKI「なんともまた急なお話で・・・」

本部「つきましてはB病院の獣医師諸君にC病院の院長の穴を一時的に埋めていただきたく思うのですが…よろしいでしょうか」

AKI「拒否権無いですよね」

本部「現実的に考えて、無いですね…」

AKI「で、一時的とは具体的に」

本部「新しい院長が着任するまでの間のつなぎです!永久的なものではありません!」

AKI「その新しい院長とやらはいつ頃…?」

本部「現在全力で求人中です」

AKI「アッハイ」

 

 

多分ここから6~8週間くらい、毎週半分はC病院になるかと思われ…。

一応は本部とも交渉してね、ガソリン代出しても余りある交通費は毎回会社から出してもらってますがね、それにしたってすり減るタイヤ量を考えれば手元に残らないし、何より毎朝6時起きで往復運転2時間半がツライ。いやぁ、日本の満員電車に揺られるリーマン勢に比べれば贅沢言ってますがね、そういう比べ方をやり始めると基本的に日本社会全体を否定しないといけなくなるので割愛です。

あとここから数週間ずっとうちの院長と入れ違いになるのが地味に痛い。自分がC病院ヘルプの時は院長がうちの病院を、自分がうちの病院にいる時は院長がC病院の代診ですからね。こうなると「自分お手上げ!」な意味不明の症例が来た時に『インチョウタスケテ!』が出来なくなる。困った。

 

でもね、それでもC病院は助けてやらねばアカンのですよ。C病院の院長が去った今、残されているのは大学卒業して2ヵ月程度の新卒獣医ちゃん一人だけなわけで、これ一人に病院という重荷を全て担がせたら確実に潰れます。既にC病院の院長に放置気味に扱われていた部分もあり、かなり精神的に来てると思うし、ここでこの新卒ちゃんにも辞められたりしたらそれこそ全員共倒れになりかねない不安定な状況。

何より同情するというか非常にデジャヴを感じる状況なのです。自分が働き始めた時も、自分が勤務3ヶ月目くらいの時に当時の院長が辞めちゃって、いやはや自分の獣医師人生ヤバいんじゃね!?みたいな状態に実はなっていたのだ。自分は運よく今の院長が来てくれたからこうして生きてますが、あの時のお先真っ暗感は割とキツいよ。

 

医学生は大学で6年かけてありとあらゆる知識を詰め込みます。医学生と同じ期間、同じ量の勉強量を数倍の動物の数だけ学ぶのですが、卒業ホヤホヤの新卒が持っている知識と経験は現場の10%にも満たないと思います。あの地獄の6年は何だったのか。とてもじゃないけど一人じゃ対応できませぬ。

っつーか1年以上経った今でも『インチョウタスケテ!』を発動する機会は非常に多いんですけどね、それでも、ほんの少しでも新卒ちゃんの支えになれるのであれば往復2時間半の運転もやってやるですよ。

 

…尚明日は新卒ちゃん有給取って友人の結婚式に出席してるから自分一人だけC病院に取り残される模様。俺氏の心配はどこにぶつければいいのママン…。

 

 

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フブキ「おみずー!!」

 

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「うまーーい!!」

 

 

連日の雨でそこら中が氾濫している結果、レプトスピラ症と鈎虫症が至る所で蔓延しております。北クイーンズランド州においてはワンコの虫下しとレプトの予防注射をお忘れなく。