とある獣医の豪州生活Ⅱ

豪州に暮らす獣医師のちょっと非日常を超不定期に綴るブログ

とある獣医の豪州生活Ⅱ

百聞は一滴に如かず

うちのワンコ、現在13歳と9ヶ月。

ゴールデンレトリバーとしてはかなりの高齢になってきております。

耳が遠くなってる以外は別段問題なく元気に寝て過ごしてるのでございますが、仕事柄こいつより若くして倒れる連中も日々見ているわけで、何かと心配になってくるものです。

 

となればこれはもう職権乱用ですよ。

 

日々の健康チェックは聴診器と目と耳と鼻と腕があれば毎日できるのですが、やはり表面的なチェックだけではいけませぬ。

 

動物相手なので身体の内側の健康状態を知るのはヒトのそれよりも難しいのです。人間であればある程度は自己診断ができるわけで、「最近胃がムカムカするな」とか「脂っぽいものを食べた後に急性的な腹痛にここ数ヶ月襲われることがあるな」とか、割と具体的に内側の問題に気付けることもあるでしょうが、言葉を知らず医学を知らない動物相手だといかに飼主として日々の表情を見ていたところで限界があります。

ましてやそれが「予備軍」、つまり症状として現れる以前の状態なら尚更無理。

 

となると、身体の内側を知るために頼るものは何か。

視覚的に調べるモノとしてはレントゲンや超音波検査が主ですね。ちなみに「謎の症例」が多い獣医学では結構頻繁にEx-lap、試験開腹術でお腹を開いて直接視覚的に調べることも多くあります。やろうと思えばCTやMRIも使います(大動物病院のある主要都市でもない限り、大抵人間様の病院に、通院患者のいない夜中にコソッとお邪魔します)

が、そんな大掛かりなことは症状が出てからやるもんです。そつなく「身体の内側」を知る方法ならほかにもあります。

 

つまりは「身体の内側」から出てくるモンを調べれば良い!

 

これはもう、ウンコ、オシッコ、血液三種の神器です。

ウンコとオシッコは毎日見ているのである程度の異常に気付けるとして、大事なのは血液検査。高齢になってきた動物は6ヶ月毎に血液検査をすることが望ましい。血液検査から得られる情報量はモノスゴイのです。

 

 

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ということで、血液検査した。ラボに送ったので色々細かく調べてくれます。

別段これといって問題無さげです。なんか血小板がデカいけどどうしてそうなった。

 

「別段異常ないですね」はお金の無駄じゃないのだ。後々異常が出た時にどれだけ変化したのか比較できるし、何よりも後でやっておけばよかったと後悔するより、やっておいたほうが良いのだ。これマジで。